ニッサン情報 第22号
分娩後の起立不能は絶対に起こしてはならない(2)
ニッサン「ゲンキコールCa」牛用イオン化カルシウム配合液体飼料
(ダウナガード液、カルゲンコールは姉妹製品です)
日産合成工業(株)は、乳牛の分娩性低Ca血症を防ぐことを目的として、腸管からのCa吸収を早めるため、Caを完全にイオン化した液体飼料を上市しました。
Ca化合物はそのままでは腸管から吸収できません。Ca化合物が解離してイオン化されたもの即ちCa2+という形になったものが腸管上皮細胞に存在する活性型ビタミンD3のレセプターに取り込まれて吸収される機構になっています。
「ゲンキコールCa」に含まれているCaは全てCa2+となっていることが特長となっています。Ca2+は、腸管からの吸収を効率よくするだけでなく、少量ではありますがルーメン壁からも吸収されることが解っており(矢野史子,近畿大学)、炭酸カルシウムやリン酸カルシウムとは一味違ったCa源なのです。
酪農家の一部では、グルコン酸カルシウムを水に溶かして給与することが行われていますが、グルコン酸カルシウムは水に溶解せず(水に対する溶解性3.3%)懸濁するだけで、この状態ではCaはイオン化されていません。グルコン酸カルシウムを完全溶解・解離するには酸性下で高温維持することが必要なのです。
「ゲンキコールCa」の給与試験結果
弊社では、平成13年2月〜5月の間に25頭の乳牛を対象として次の要領で給与試験を行いました。
1.目的
乳牛へのゲンキコールCa給与による起立不能症発生の有無を実証する
2.方法
1)対象牛 分娩直前、直後のホルスタイン種乳牛
2)給与量 ゲンキコールCa 1回500mL
3)給与時期
1.分娩前6〜12時間(7頭)
2.分娩後初乳搾乳前(10頭)
3.分娩直後及び24時間後(8頭
4)試験地 群馬県、愛知県、広島県
3. 試験結果
1)起立不能に対する影響
給与時期 |
起立不能の有無 |
分娩後6〜12時間 |
皆無 |
分娩後初乳搾乳前 |
皆無 |
分娩直後及び翌日 |
皆無 |
2)血中Ca濃度の変化
区分 |
血中Ca濃度 |
給与牛 |
9.0mg/100mL |
無給与牛 |
7.5mg/100mL |
「ゲンキコールCa」の給与方法
- 1回当たり500mLの給与を標準としてください。
- 分娩後初乳を搾る前に給与することが最も有効な給与法方です。
- 分娩日の翌日にもう1回給与することが安全です。
- 産次数が増加するとCaの利用率は低下します。特に3産次以降の乳牛に対しては分娩後2〜3日連続給与することをお奨めします。
- 泌乳ピーク時に本品を給与すると、生産性アップにつながるとして重宝されている酪農家もあります。
- 本品は塩素濃度が高く苦味があります。
- ビタミンD3筋注との併用は差し支えありません。
お 願 い
ニッサン情報 第23号も続けてお読み下さい。
ニッサンの牛用イオン化カルシウム配合液体飼料
ゲンキコールCa ダウナガード液 カルゲンコール
ホーム
戻る
Copyright © 2008 NISSAN GOSEI KOGYO CO.,LTD. All Rights Reserved.