ニッサン情報 第1号
蹄疼痛とジンプロ(硫酸亜鉛メチオニン)


発刊にあたって

 日産合成工業(株)は、獣医師用動物用医薬品、飼料添加物などの製造販売を行っております。

 日頃はわが社の製品をご愛用いただき厚くお礼申し上げます。わが社は、創業60周年を超えましたが、これも偏にお得意様各位のお力添えの賜物と感謝いたしております。

 このニッサン情報は、皆様方の日常作業のご参考になる新しい乳牛飼養管理に関する情報をお届けし、併せてわが社の製品のご紹介をいたしたいと考えております。この情報が皆様と私どもを結ぶ絆になればこれに過ぎる喜びはありません。

 酪農サバイバル競争の中で皆様のご苦労は大変なものであろうと拝察いたします。私どもは、「技術の日々一歩前進」をモットーとして、皆様の必須資材であるビタミン、ミネラル添加物を通じて経営改善のお役に立ちたいと念願いたしております。

 何卒ご愛読のほど宜しくお願い申し上げます。


技術情報
蹄疼痛とジンプロ(硫酸亜鉛メチオニン)


 蹄が悪くなるのは重い体重を支えるための職業病だと諦めていませんか?蹄の悪い乳牛、蹄が痛くて跂を持ち上げている乳牛は意外に多く、蹄病の罹患率は20〜50%もの高率と云われます。 蹄病を発症した牛では、食欲低下によって乳量ならびに体重の減少が見られ、又起立時の打撲などによる関節周囲炎、骨折、筋挫傷により、しばしば早期の廃用へとつながります。 跛行の発生時期については、分娩後4か月頃に発生頻度が高いことが報告され、分娩前後の飼養形態の急激な変化に伴う第1胃内の変化が蹄病の発生と大きく関係しているようです。

 現在のところ、濃厚飼料の多給に伴うルーメンアシドーシスが蹄葉炎、特に潜在性蹄葉炎の原因となることを研究者が認めています。 また蹄に対する物理的な負荷、すなわち削蹄不良や牛床の滑りやすさ、広さなども蹄真皮の異常な充血、浮腫を招く可能性があり、これらも潜在性蹄葉炎の原因と云われています。 蹄菓炎を防除するには、第一にアシドーシスを防ぐための飼料内容の改善ですが、このほかに亜鉛やマグネシウムの積極的な補給を心掛ける必要があります。亜鉛は、蹄の強化に必須のミネラルで、ジンプロ(硫酸亜鉛メチオニン)は腸管からの吸収がよい素材として認められています。 米国や英国で行われた試験では、ジンプロ給与牛の蹄は、対照区に比べて有意に健全であったことが報告されています。当社の試験でも跛行している牛にジンプロを投与して、早いもので1週間で着地できるよう回復した例が認められています。 セルトフービス(ジンプロを含む飼料添加物)を給与して廃用につながる蹄病を予防・治療することも経営改善の1視点と考えられます。

乳牛の蹄病の現状と将来(佐々木伸雄らより)


 ジンプロは、牛乳中の体細胞数を抑制することも特長的ですが、このことについては次の機会にお知らせします。



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