『イネWCSとバイパスナイアシンによる乳牛の暑熱対策』
( 要 約 )
埼玉県農業技術研究センターでは暑熱期の泌乳牛において、ビタミンEが豊富で嗜好性の高いホールクロップサイレージ=WCSと、ルーメンを通過し下部消化管で吸収され体温上昇を緩和する効果が期待できるバイパスナイアシンの併用による効果を検討した。稲WCS給与により乾物摂取量、乳脂肪率、乳脂補正乳量が高まり生産性が向上した。乾物摂取量の増加により牛の体温は暑熱期でさらに上昇したが、バイパスナイアシンを朝20g給与を併用すると体温上昇が緩和された。以上のことから稲WCSとバイパスナイアシンの給与は暑熱対策の一助となることが分かった。なお本試験結果から試算した収益は8.5%の増収となった。